スイス旅行記(4)

 ユングフラウヨッホ ヨーロッパの頂き 


朝ミューレンを出てから登山電車を乗り継いで、いよいよユングフラウヨッホヘ行く鉄道の旅がはじまりました。

ユングフラウ鉄道


初めのうちは、遠くに雪山をながめながら田園風景の中を走るのですが、途中からはまるで地下鉄のように長い長いトンネルの中ばかりになります。

それもその筈、ユングフラウ鉄道が通る線路は、スイス3山のアイガーとメンヒの胴体をくりぬいたトンネルの中なんです。
すごい事をしたもんですね。
ここは世界中から観光客が訪れる人気の場所になっています。

この電車はアイガーの横穴とかアイスメールと呼ばれる駅に停まるのですが、このあたりでもうすでに標高2800m、3100mと、ぐんぐん高くなりますから、少し停車しながら身体を慣らす必要もあるのでしょうね。

アイスメールで降りると、氷河の中をくりぬいたこんなトンネルを歩きます。氷の道のところどころには右の写真のような窓が作ってあったり、見事な彫刻が彫ってある所もありました。日本の夏の氷の彫刻を思い出して、こんなに沢山の観光客がやって来るのだから溶けてしまわないかと思ったのですが、溶けないのだそうです。


外部が見えるように横穴が開けてあるのですが、そこから覗くとこんな光景です。

すぐ目の前は鋭く切り立ったような氷の世界なのですから、
このトンネルがどんな所にあり、
自分はどんな所にいるのかが
想像できるながめでした。

Top of Europe

そして、いよいよヨーロッパの頂きと 呼ばれる展望台に到着です。

ここは海抜3454mですから、呼吸する時の感じがちょっと違います。運動をして脈が上がった時の感じを思い出せばいいかもしれません。
滑りやすい足元に注意しながら、ゆっくりとした足取りで歩いて外に出ると、突然目の前に開けるのがこんな真っ白の世界でした。足元はサラサラの雪、周囲はぐるりと氷河です。
このアレッチ氷河はヨーロッパ最大の氷河だそうです。
私の立っている雪原があの4000m級の山に続いているんだなーという感動がわいてきました。
すぐ下の雪原ではスキーをしている人が見えました。

ここでは具合が悪くなったらしい人を数人見ました。高山病なのでしょうか、頭が痛くなるのだそうです。
側にいた人がちょっと苦しいと言うので、私はゆっくりと深く呼吸をする事をすすめてみました。
やはりこれだけの高度になると身体の状態も変わりますから、注意が必要ですね。

ここからさらにエレベーターに乗ってゆくと、もう一つ「スフィンクス」と呼ばれる展望台があります。この名前は外観が似ているところからきた呼び名だそうです。ここの標高は3571m。
展望台に出るらせん階段の柱に書いてあったので、記念に撮ってきました。

花いっぱいの草原

再び電車に乗り、途中の駅(アイガーグレッチェ)で降りてここからいよいよスイスの高山植物をたずねる山歩き。
標高2320mの駅で電車を降りて歩き始めれば、一面に花が咲き乱れる草原です。

周囲はそそり立つ壁のような雪山、そして足元には短い夏を待っていた可愛い花が競うように咲いています。
1年の半分以上雪で覆われる高地なので、あまり木がはえていません。
時々ジェット機でも近くを通ったかと思うようなゴーッという響きが聞こえましたが、それは雪崩の音でした。音がする都度その方向を見ると、山の中腹で雲のような雪煙が上がっていました。こんなに遠くで見ても、かなり厚みがある雪渓が溶けて滑り落ちるのがわかりました。

ここでスケッチブックを取り出したのですが、あまりに雄大な景色の中なので、
しゃがみこんで花を描いているうちに景色が描きたくなり、
景色を描いているうちに雪崩の珍しい眺めに見入り・・

結局ここでは絵なんて描くどころではありませんでした。
でもこれは絵を描く会の旅行なので、一応スケッチブックを広げている姿です。(^^;)

この翌日行ったシルトホーンと一緒にご紹介するつもりだったのですが、ユングフラウヨッホだけで1頁になってしまいました。次は雪景色と花のシルトホーンです。

(1)出発まで(2)ロンドン経由チューリッヒへ(3)静かな村ミューレン
(4)ユングフラウ・ヨッホ(この頁)(5)シルトホーン・インターラーケン(6)モントルー・レマン湖畔
(7)モントルー・国境の村(8)リーダーアルプ(9)旅行のまとめ

スイスの山歩きで見た
花の写真をご覧下さい。

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